年が明けて、テレビでは「新春~」というフレーズが並んでいたのだけれど、その中で紅一点(あくまで自分が見た範囲での話)だったのが、NHKで放映されていた詩人まど・みちおさんのドキュメンタリー。言葉に大変敏感で、一言ひと言を正しく選んで話をされている様子が、さすが詩人とはこういうものかと見る気がしました。

まど・みちおさんと言えば、国語の教科書にも多く載っていたように記憶しているけれど、例えば童謡の作詞(ぞうさん、やぎさんゆうびん等。作曲はどちらも團伊玖磨さん)もあり、ああこの歌もそうだったかと改めて思い、自分の詩が今の子供たちにも歌われているのはどんなに良いことだろうと考えをめぐらせておりました。

もう一つ気づいたことは、日本語の表記の中でも「ひらがな」「カタカナ」「漢字」それぞれの見た目に現れる感覚的な美意識のようなものが、詩の中に的確に出ているということ。青二才の自分が的確になどと言うのは僭越ではあるけれど、そこにはそこにしかない=それ以外では異質な表記であって、それがまた魅力を増しているように感じました。

久々に見たよいドキュメンタリーでした。