以前の日記にも少し書いたけれど、最近Humbert Humbertの曲をよく聞いています。「くるり」のトリビュートアルバム(担当楽曲は「虹」でした)にも参加していたので、そのイメージが強い人もいるのではないでしょうか。特に意図はないけれども、今日のタイトルは、好きな曲の一節から。ここ数日で読んだ本を書きます。

---
池内恵 『書物の運命』 文藝春秋、2006年

大学時代の先生の一人が推薦書として挙げていたことが、頭の片隅にあり、よい機会だと思って読んでみたこの一冊。クレジットとしては「気鋭の若手中東研究者による初の書評・文化論」というものだったけれども、その謳い文句以上に、読み物として内容が楽しかった。どちらかというと、文章は鋭く切れ込む感じではあったけれども、それぞれの着目点がとても明瞭に思えたし、扱った書籍も幅が広く、考えさせられる本でした。

---
梨木果歩 『村田エフェンディ滞土録』 角川文庫、2007年

上の「書物の運命」の中にも取り上げられている一冊。戦前のトルコ(土耳古)に留学した村田の視点から語られる街の様子、神様の様子、そして当時の土耳古の空気感。どれもが新鮮で、どこか土臭いような印象もあって、とてもよかった。薦めてくれた友人にも感謝感謝です。タイトルの通り「録」なので、あくまでエッセイ風というか、日常のこまごましたことを描いているのだけれど、それ以上に読み手に「問いかけ、考えさせる」ような魅力がありました。

---
梨木果歩 『春になったら苺を摘みに』 新潮文庫、2006年

梨木果歩さんの本をもう一冊。ソロモンに行ってきた(そして帰ってきた)友人からのお薦めの本。 滞土録とは打って変わって、こちらは現代の話。いわゆるエッセイなのだけれども、今までに自分が感じたことや今の自分が感じていることを目の前の文章で見るような箇所が多く、「あぁ、さすが仕事だなぁ」と思わされました。英国の緑豊か(そして少し湿気が木になるくらいの)な自然の様子。コミュニケーションのどこか空虚な感覚。自分が同じ場所に立ったら、果たしてその時何を思うのか。