先日のゼミのOB会の際に、先輩から教えてもらった黒木亮さんの本を幾つか。「エネルギー」以外にもとんとんと続けざまに読んでしまいました。どれも展開が面白く、学ぶところも多いながら楽しく読めました。


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黒木亮 『エネルギー』(上下巻) 日経BP社、2008年

日本がかかわるエネルギープロジェクトとそれにまつわる金融・環境に関する主体が交錯する本編。どこか馴染みが深くなったサハリンプロジェクト、イランの巨大油田開発計画、国内官庁や政府系金融、そして商社などがそれぞれの思惑を持ちつつも利権・国益の獲得に奔走する様子がリアルで楽しく読めました。SPC(特別目的会社)の内部など、小説でありながら果たして事実は…とさらに考えさせられる部分もあり、ますます気になるところです。

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黒木亮 『シルクロードの滑走路』 角川文庫、2009年

途上国の航空会社が飛行機を調達する―そこにまつわる商社、銀行、途上国政府などが錯綜する本編。商社の意思決定プロセス、銀行のリスク評価、途上国政府内部の賄賂・袖の下と思惑、中央アジアの民族問題。なるほど、商社の仕事の一端を示しつつ、やはり最後は「人」だなぁと感じるお話でした。果たして現実はどうなのか…(もし機会があれば)こうした案件にかかわることも楽しみです。どうなることやら。

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黒木亮 『トップレフト―ウォール街の鷲を撃て』 角川文庫、2005年

ふと、いつのまにか僕もこういうタイトルの小説を読むようになったんだなぁと感じた一冊。米系投資銀行、邦銀、そして…がプロジェクトの利権を獲得すべく奔走する物語。話の肝は…なので、あまり詳しくかけませんが、これが底力というやつかとため息が出ました。ロンドンのシティ(金融街)の描写などもシンプルですが鮮やかで、文字を追っていくだけでも個人的には楽しい本でした。黒木亮のデビュー作です。