本当はブログなんぞ書いている余裕はないのだけれど、何となく。

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昨日は月末の演奏会の初ソリスト合わせでした。ベートーベンのピアノ協奏曲は初めて聴いたし初めて演奏する曲だけれど、なんていい曲なんだろうと。演奏中だったのに、ずっと聴いていたいなぁと思って、何箇所か入りが乱れてしまった(ごめんなさい)。もちろん、ソリストの方が素晴らしかったというのもまた然り。皆様、30日はお誘い合わせの上、ご来場お待ちしております。

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他方で、最近は自分自身に納得のいかない演奏が多くて、イメージと、現実の肉体の動きと、出てくるはずの音と、その3者の関係がどこかぎくしゃくしているように感じることが多くて、昨日の練習中もずっとその感触がぬぐえないままだった。いい曲であればあるほど、その曲の持つ無限の世界観を自分の小さな技量が狭めてしまっているようで、どうしようもない気持ちになる。

大学に入る前から知っている友人と、練習後にご飯を食べていて、あれやこれやと忙しい中で、何か納得がいかんのよねという話になり、人からその言葉を聞いて「あー自分が考えていたことは、そうそう、こんなことだった」と改めて感じた。最も重要なのは、楽器をどう弾くか、よりもむしろ、楽器とどう向き合うか、ということであって、それが尚のこと難しいと常々思う。

今の自分が使っている楽器はドイツのもので、日本人の入賞者はこれまでまだいないようですが、毎年国際音楽コンクール(演奏だけでなく楽器製作も)が行われている田舎の街で生まれたもの。世界の果てまで響き渡るような派手な音ではないけれど、目の前の人の印象に残るような、ひそやかな暖かい音が好きで選んだ楽器。その可能性も活かしきれていないようで、もどかしい。

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最近、ふとした拍子に手をとって、よしもとばなな(吉本ばなな)を読んでいる。こちらの感想はまたの機会に。