伊坂幸太郎の「終末のフール」と前後して読んだ小説を、どどどっと三連発!

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森絵都 『風に舞い上がるビニールシート』 文春文庫、2009年

先月まで、表題のドラマが放送されていましたね(吹石一恵、クリス・ペプラー、片平なぎさ他)。6編が収録された短編集で、どれもなかなか、程よい時間の流れ方をするお話でした。表題の「風に舞い上がるビニールシート」は、UNHCRの東京オフィスを舞台に展開していく話で、登場人物の台詞になるほどなと思ったり、別の登場人物の(言葉になっていないような)感情や感覚が鮮やかに伝わってくる作品でとてもよかった。他に好感を持てたのは、やっぱり、と思いつつも一ひねりがあり、読後も爽やかな印象が残った「ジェネレーションX」がおすすめ。


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重松清 『その日のまえに』 文春文庫、2009年(第7刷)

帯にも書いてあるし、友人の評にも書いてあったけれど、やっぱり読んで泣きました。電車で読んでいたけど、一旦途中でやめたくらい。構成としては、7編の短編、それぞれの話の中に別の話の登場人物も出てくるというタイプ(個人的にこの構成は好きです)。その日のまえに、その日に、その日のあとで、自分は何を考えるだろうか。人は旅立つときに、残る人に少しずつ魂を分けてゆく、残る人はその重さに最初つらいけれど、徐々に徐々にそれに慣れていく。―こういった題材の本を読むと、いつも「のんのんばあ」(水木しげる)の話を思い出します。


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森見登美彦 『夜は短し歩けよ乙女』 角川文庫、2009年(第3刷)

新幹線に飛び乗る前にふと手にとって即断で買った一冊。その時は話の概要も知らず、名前は知っているし、と思って手に取りました。が、これぞ素晴らしき壮快・爽快感!登場人物がオモチロイ人ばかり、また文章の構成として「いたずらしようとしている様子を別のカメラで撮っているようなもの」だったので、思わずにやにやしながら読んでしまったり、結びもすっきり素敵な作品でした。いやー、京都もオモチロイ街だなぁー。羽海野チカさんの「かいせつにかえて」も(僕のイメージの乙女ではないけれど)、なかなか楽しいものでした。なむなむ!