インスタントの赤みそのみそ汁を前にしつつ、更新しています。今日は宿舎の同期が無事帰国して、何とか再びアシスタントは2人体制になりましたとさ。(本当は4人が標準なんだけれど、2人卒業してしまったので)

先日の演奏会のレビューを書くのを忘れていました。たくさんの方にご来場いただき、またアンケートには多くコメントをちょうだいしまして、本当にありがとうございました。一緒に演奏した方々とともに、ホールの響きの中で幸せな時間を過ごすことができました。

ブランデンブルク協奏曲は、正直に言うと「よく分からんなぁ」と思う部分があったりもしたのだけれど(勉強不足です)、本番で弾きながら「ああ、ここはこうだったのか」とか「こんなきれいな響きだったのか」と気付く部分も多く、新鮮な気持ちで楽しむことができました。チェンバロのきれいな音に聞き惚れながら、第1楽章の長大なカデンツァの後の入りが心配だったというのは、今だから言えることですが。

余裕ができた時にはキリスト教と音楽に関する書籍を読みたいと思っています。天上への祈りのしるしとしてのバッハの音楽、合奏団のために作曲したとは言うものの、やはりどこか神秘的な響きを擁するその音楽は素晴らしいなぁと。ところどころでハッとさせられる音の重なりは、バッハ以外にはない(あるとしてもバッハ的な印象ではない)音楽だと思います。無伴奏ソナタなどとはまた違った味わいでした。

モーツァルトのクラリネット協奏曲、もうこれは「いい曲!」以外の評価はありえません!僕は特に第2楽章が好きなんですが、晩年のモーツァルトのどこか不健康さというものを感じつつも、ある意味、聴き手を現実社会から完全に引き離してしまって、音楽の中に浸してしまうというのはすごい。何よりもこういったことを感じながら演奏できたのは、一重にソリストの方の腕によるものなので、感謝感謝です。

メインの40番。アンサンブル上の事故は多々あったものの、「悲しみは疾走する」その様子は、やはり曲の魅力そのものではないかと思います。若干(個人的な印象としては)ベートーベンっぽい部分もあるような気がするのですが、その熱さがモーツァルトによって書かれたところが、この曲の特殊性な訳で、第1楽章の後半などは、その極みではないかと。ぜひとも39番、41番も演奏したいものです。(38番は過去に演奏済み)

フィリアホールも本当に素敵な会場でした。ご来場下さった皆さま、お世話になった演奏者の皆さま、スタッフの皆さま、本当にありがとうございました。