Vinum et musica laetificant cor.

「ワインと音楽は心を喜ばせる」―ラテン語の格言より。

面白いと思わせる

院の友人と「この授業は面白いけれど、どうしてあの授業は面白くないんだろう」という話をしている時に、ふと入学式での祝辞が頭をよぎった。当時赴任された比較的若手の研究者の方で、これから《研究》という難題に向かう大学院生に対して「楽しいと思うことは楽しく伝えなきゃだめです」という趣旨を仰っていたように思う。

あー、まさにこれじゃないか。

面白い(←これ自体すでに主観でしかないけれども)と思う授業は、やはり先生が楽しそう。自分の研究の魅力を伝えたい!という大義名分を背負っているというよりも、単純に「面白いでしょ。どう?」と言っているようにも感じる。他方、なんだかなぁーと思う授業は、(声がこもっているとかまた別の問題はあるにしろ)先生がルーティーンという感じであまり「声」が届かない。

今年の3月に放映された情熱大陸では、生命科学?の研究者の方が取り上げられていた。講演でのシーンはあまりなかったけれど、研究のことを話すとき、とても楽しそうな様子だった。ハードな生活ながら研究を続け、それで世界に認められるような論文を書いてしまうのだから、いやはや凄い。「楽しく(面白く)伝える」という技術は、研究手法とはきっと全く別なのだと思う。

とは言え、これは自分がプレゼンをしている時もまた然り。来月のプレゼン、果たしてどうなることやら…論文読まなきゃ。

エッセイのイロハ

ふとそらを見上げてみたり、歩きながら考え事をして思いついたり、そんなひらめきの鮮やかを文章にできたら、どんなによいことだろうと思う。

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江國香織 『泣く大人』 角川文庫、2004年


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気がつけば6月もすでに半ば。が、しかし個人的な予想に反していまだに入梅はせず…。どんよりした曇り空、衣替えの季節には困ってしまう冷たい雨、そして太陽がカァッと照る晴れの空。色んな表情の空とは対照的に、日々の授業やら課題の掲示やら、週ごとに組まれたいわゆる「ルーティーンワーク」が毎日がたんたんと流れていきます。こういう時に限って、何かパンチの効いたものが身近にない(気付かない)のが、残念なところ。

最近、江國香織さんのエッセイを読み返して、こんな風にエッセイを書けたらいいのになぁーと思う。言葉の鮮やかさ、というのは「もの書き」と言われる人の専売特許のようなものかも知れないけれど、例えば、そこにハッとするような擬音語や擬態語が、さらりと含まれていたり、あーこの感じは、こう言えばいいのか(もちろん、それが著者本人が想定したものとは限らないけれども)、という箇所を目で追うたびに納得して安心します。

梅雨とアジサイ

はい、6月です。そう言えば、学校のアジサイもきれいに咲いていたような…まもなく梅雨入りでしょうか。(梅雨の話をしたら、お隣の留学生はものすごい嫌な、というか面倒くさそうな顔をしていましたが。)今日はここ最近読んだ本の中から幾つかレビューでも書いてみようかと。

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興梠一郎 『中国激流、13億のゆくえ』 岩波新書、2007年(第9刷)

今、中国政治の理解の足しになればと思って買った一冊。実際に中国で仕事をしてきた筆者が語る、完全ピラミッドをなす中国社会の基層(ないし、組織の土台を形成する人々)のお話。新書の欠点?は参考文献や引用が文芸書や論文と比較すると制限されてしまい、その信憑性を問いたくなってしまうところ。ただ、むしろそうした知的な好奇心を刺激するものとしてはとても良く、詳しい内情は中国政治の専門家の同級生などにも聞いてみたいと思います。

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長尾剛 『話し言葉で読める「西郷南洲翁遺訓」』 PHP文庫、2008年(第2刷)

大学時代の恩師からいただいた本。西郷隆盛のかつての言葉(西郷南洲翁遺訓)を簡単な話し言葉に書き換えたもので、漢字が並んで堅そうなタイトルの割にも案外スラスラと読めるものでした。ここ最近のいわゆる「○○力」ブームにも分類されそうなものです。が、なるほどな、と思う部分も多くあり、今も昔も大事なことは同じだなぁと思うと同時に、あぁやっぱりこれが大事なんだと(もちろん西郷隆盛が大事と思っていたものなんだと)感じるところも多い、良い読み物でした。

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内田樹 『私家版・ユダヤ文化論』 文春新書、2008年(第9刷)

授業の中で、担当の先生が言及されたので読んでみた一冊。ユダヤ人はなぜ迫害されてきたか、誰がユダヤ人なのか、そもそもユダヤ(ないしユダヤ人)という概念は《何》なのか…といったいわゆる「ユダヤ」の問題に、筆者が(私家版として)素朴な疑問をぶつけてみた、という一冊。歴史的な展開から、哲学的な部分、認識論まで話は及び、最後まで、もちろん頭を使いつつも面白く読めました。内田樹さんの他の本にも興味が沸いてきた今日この頃。

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伊坂幸太郎 『アヒルと鴨のコインロッカー』 創元推理文庫、2009年(第19刷)

最後は、全く違うものを一つ。「重力ピエロ」が話題の伊坂作品ですが、こちらもすでに映画化されたもので、印象としては伊坂作品の中では比較的筋がシンプルなように思います。(もちろん、エッシャーのようにはめこまれた「ラッシュ・ライフ」も好きですが。)個人的にはこの面白さは小説だからこそのもののような気がするのですが、これを果たして映画でどう出したのか(もちろん若干の設定変更もあるでしょうが)とても見たいもの。

チャイルドケアー?

昨日の演奏会、大学院や宿舎の友達など多くの方に来ていただきまして、ありがとうございました。ブラームスの第2番を初めて聴いたのは何年か前のオラモ指揮、フィンランド放送響だったように思うのですが、演奏してみて改めて(月並みですが)いい曲だなぁと感じました。自分個人としては何箇所か間違えてしまい、大反省でしたが…。

さて、昨日のリハーサルの後に、お知り合いの方が出られる演奏会の情報を耳にし、今日はそれを聴いてきました。初めての街、初めてのホールはやっぱり新鮮。

ヨーロッパの街には、それぞれにプロのオーケストラがあって毎週のように演奏会があって…というのは一つ憧れるところですが(そして、それが成り立つ社会の様子も憧れますが)、今日の演奏会は無料だったこともあって、ヨーロッパに負けじと?多くの方がいらしていました。年配の方から子どもまで、これはこれで良いものだなぁ、と。

にしても、やはり演奏会のマナーというものは難しいもので、例えば静寂であるからこその安心感や緊張感がある場面で、小さいお子さんの声がホール中に響くと(仕方ないんですが)「あちゃー」と思ってしまう。生の音の魅力をいろんな方に!というのは、ある意味(オーケストラの運営のためにも)必要なのですが、難しいところですね。

いろんなところで小さい子どものマナーは難しい(演奏者にとっても、良い演奏をするために未就学児の入場制限とかをやっていると僕は思うのですが)一方で、大人もちょっと!ということも。静かな演奏中にコツコツと靴の音が響いたり、楽章間に入ってきて、自分の席(列の真ん中とか)に戻ろうとするなど、それはちょっとねぇ。

(逆に言えば、ここで受付スタッフの腕が問われるわけですが)

今週末はひたすら音楽をしてしまった!明日からの学校、また切り替えねば。

初・東中野

今日は朝から東中野まで。ミニシアターで公開されているドキュメンタリー系の映画を観てきました。実は、ドキュメンタリーを映画館で見たのは初。しかも、そもそも東中野で下車したのも初。駅の周りしか歩いていませんが、(良い意味で)ごちゃごちゃしていて面白い街でした。

観てきたのは、今日までの公開だった「バオバブの記憶」。セネガルを舞台にしたドキュメンタリーでしたが、なかなかよかった。サン・テグジュペリの「星の王子さま」では悪者(星を壊すものとして)としてのバオバブですが、今日の映画の舞台では精霊が宿るものとしてのバオバブでした。(形が印象的な木なので、きっと皆知っているはず。名前も良い。)

ただ何よりもよかったのは、映画が始まる前のそば屋さんで。何となく今日は寒いし、上映中にお腹がなるのも嫌だなぁと思って、そば屋さんでたぬきうどんを注文。そうしたら、隣で食べていた強面のお兄さんが「あったまったよ!ごちそうさま!」(脇で、おぉかっこいいーと思ってました。)

僕もおうどん(そばは食べません)あったまりました。ごちそうさまでした。

言葉とリズム

村上春樹の「ノルウェイの森」が映画化されるんだそうな。…にしても内容的にはR指定とか付くんじゃなかろうか(あくまで個人的な印象ですが)。でも、その前に「重力ピエロ」を見に行きたい。

前にも書いたのだけれど、今学期は「東欧の政治」なる授業を取っている。東欧地域(と言っても果たしてどう定義するかがまた問題だけれど)をみっちり扱うのは実質的に初めてなので、とても面白い…ということは、前の日記に書いたとおりであります。そんな授業をさっきまで受けていました。ネイション論っていうのは複雑怪奇で難しいなぁ。

先生はチェコが専門とのことで、授業中にも時々チェコ語の単語が出てくる(紹介してくださる)のだけれど、その言葉の節というか、響きというものを聴いていて「(今度演奏する)ドボルザークはこんな言葉を話していたんだろうか」と考えつつ、何となくその言葉の節や響きと、音楽が似ているような気がしてきました。根拠は不透明だけれど。

以前、サン=サーンスの室内楽を先生にみていただいた時、「彼はフランス語で考えて作ってるんだから」と言われ、あーなるほどなと思い、また寺神戸亮さんのCDのライナーノートにあったエピソード(テレマンのフランス趣味の作品を、チェンバロ奏者の方が「訛っている」と語ったこと)を思い出し、やはりどこか繋がるなぁと考えておりました。

明日は合奏だー。がんばらにゃ。

けちょんけちょん

今日はシド・ヴィシャスの誕生日(1957年)らしい。誰か芸能人で尊敬しているって言ってた人がいたような…フィクションだったかな。ま、おいといて。

今日は今月末の演奏会のオケの練習でした。が、個人的にはけちょんけちょんでした。正直なところ、自分が弾けていないのが丸分かりなので、練習に行く度に周りに迷惑はかけてしまうし、(もちろん合奏することはとても楽しいことだけれど)、ほとんど毎回若干ブルーになるんですが、今日は本当にひどかった。ともかく「弾く」ことをもっと徹底しなければ。色んな意味で。

お昼に今年の夏のオケの仕事を済ませ(お手伝いいただいた皆さん、本当にありがとうございました)、その後少しお茶をしていたのだけれど、オケを始めて自分自身は6年目、まだまだやっていない曲ばかりだなぁと改めて認識。有名なもの、あまりそうでないものを問わず、まだまだ自分には貯金が足りん。しっかり毎回貯金するためには、その分練習しなくてはならない。

考えることを始める前に、まず「弾く」こと、体に馴染ませること。要は、真面目に、真摯に、きちんと(←ここがとても重要)、音楽に取り組みなさいってことですね。明日はもう月曜日だ。

健康でいること

大事だと思います。健康でいること。自分の体に対して気を使うというのはできているようでできてない。注意しなくてはいけません。が、今日はその話ではなくて久しぶりに音楽の話。

最近のうちのBGMは、月末の演奏会のためにブラームスとドヴォルザークが多いです。今回のプログラムの中には知っている曲もあったのですが、正直を言うとこれまでじっくり聴いたことがなくて、相変わらずよい経験を積ませていただいています。お世辞にも一般に認知度は高いとは言えない曲目ですが、とても良い曲ばかりなので、ぜひともお越し下さいませ。

さて、そんな中でのドヴォルザーク。実は大学3年の時にチェロ協奏曲をやった時以来なので、気がつけば3年ぶり。この人は本当に健康な人だったんだなぁーと感じます。特に精神面において。アメリカでの生活、チェコへの望郷の思いといったものも含めて紆余曲折はあったんでしょうが、音楽の中に「破綻している」と感じられるところがない(気がします)。

モーツァルトの音楽も破綻はあまりないのですが、水際で留まっているように感じるところは、(個人的には)実はあり、全盛時代の作品にはあまり見られないものの、例えばクラリネット協奏曲などには若干不健康そうに感じる一面もあったりします。ある意味、悪魔に魅入られたという感じ。彼の名前(テオフィリス)には反することになりますが…。

ちなみに好きな演奏はケルテス指揮のウィーンフィル。こんな風に演奏できたらなぁと思いつつ、昨日も練習して(個人練ですけど)きましたとさ。

あめあめふれふれ

今日は久しぶりの雨!ではありますが、お台場は相変わらず平日では考えられないくらい人がいて、よく混んでいるみたいです。かと言って大きなテーマパークがある訳ではないし、みんな何をしにお台場に来ているのかが気になるところです。僕なら迷わずつくばに行くけどなぁ(僕だけですね)。

部屋の窓からは向かいの世帯用の宿舎の廊下が見えるのですが、そこで大きな傘に四苦八苦している子の様子がかわいい。インフルエンザも流行っているようだし、体調を崩しては心配ですもの。ちゃんと傘をさして、いってらっしゃい。連休とは言うものの、やっぱり都内は混んでいるみたいです。

ばーつく

今日はかなり内輪ネタかも知れません。


最近は先月の分を取り戻すべく本を読む毎日でしたが、昨日はつくばに戻ってきました。

久しぶりに長い時間を過ごしたニ学。あの時は、本当に衛生的にどうなのと思うくらい汚かった教室でしたが、壁はさっぱりきれいに塗り替えられて、窓枠もきれいになっていて、真新しい黒板が備え付けられていて、自分にとっては不思議な空間になっておりました。楽器の音が余計に響くようになっていたのは、明らかに教室の様子が変わったことが大きい。久々にじっくり音を出しました。

その後は、進学した国際の同期の顔を見に行き、近況の報告と情報交換。それぞれがそれぞれの道を歩み、それぞれの求めるものがある中で、どこか大学の中で培った共有してきた(もしくは共通と考えている)感覚もあって、ますます負けてられないなぁと。つくばでも、日本でもなく、世界のどこか知らない場所で会うかも知れない、会ったらおもしろいと思う同級生がいるのは本当に嬉しい。

そして最初は大学オケの先輩の家へ。相変わらず凄かった。滞在時間は短めでしたが、なかなか様子を言葉にするのは難しい。きっと部屋を出た後も、さらに難しい状況になっていたのではないかと想像します…。いよいよ東京進出ですね。

さらに、バイトで一緒だった飲み会にハシゴ。何でいるの!?と驚かれつつ、なぜか卒業生の多い(もしくは長く働いている人の多い)空間で、いやぁー昔はよく飲み会やってたねぇと話しつつ、社会人生活を始めた人は、自分の新たな生活圏があり、学生を続けている人も次のステップを考えている様子があり、久々に楽しくて落ち着いた時間でした。(そして、つくばの家はやっぱり安いかつ広いです。)

連休の最初から遊んでしまった…!また本を読む生活に戻ろうと思います。
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